2016/06/16

6月の空に

あの日と同じ
雨に濡れた歩道に
今年も小さな白い花束が一つ
小さくなった吸殻は
あなたが好きだった銘柄
まるでついさっきまで
あなたがここにいたようで
ある筈のない温もりを独り探す

透明の傘越しに潤む空が
今日は少しだけ優しく見える

古いアルバムをめくるように
色褪せた五線紙を指でなぞるように
あなたの想い出をそっと抱きしめる

そこから私が見えていますか?
ちゃんと笑えているでしょう?

いつの間にか降り止んだ雨が
流れる雲を歩道に映す

こんなふうに
時はまた歩き出すんだね

そろそろ帰るね
また会いに来るね










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今日は、大切な親友の命日。
突然の事故でこの世を去って10年。
なかなか彼の死を受け入れられないまま
時間だけを重ねてきたけれど
今夜は大好きなあの歌を聴きながら
優しい想い出に心委ねられそうです