2015/01/28

おひさま と たんぽぽ ~My Birthday~


時計の針が一つに重なって
また動き始めた午前0時過ぎ

今日は私のBIRTHDAY

いつものように 

片付けの終わったリビングで一人
お気に入りの音楽に心を委ね
静かに時を燻らせる

温かいハーブティーを口にしながら
ふと子供の頃の事を想い出す

あれは何回目の誕生日だっただろう?

朝 目覚めると枕元に大きな包み
不器用に折られた包装紙を開けると
おひさま色の長靴と
たんぽぽ色のニット帽

「またサンタさんが来たよ!」
パジャマのまま
たんぽぽ色の帽子をかぶり
おひさま色の長靴を履いて階段を駆け下りる

「こらっ!長靴脱ぎなさい!」
叱りながらも優しく笑う母の顔
黙って新聞を読む父の横顔

「お外、行っていい?」
返事など聞かぬ間にドアを開けると
一面 真っ白な雪の世界
まだ誰も歩いていない雪の上に
おひさま色の長靴が小さな足跡を刻む 


サクサクと音を立てながら夢中で歩く 

どれくらい進んだだろう?
ふと我に返って後ろを振り返ると
家の前で

母がニコニコしながら手招きをしている

白い息を吐きながら駆け戻ると
私のたんぽぽ色の帽子を撫でながら
母が言った
「お誕生日おめでとう」

いつの日も
おひさまのような温かさで私を包んでくれた母
どんな時も
たんぽぽのような強さで私を守ってくれた父

そんな父と母に
今日は私が『ありがとう』を言う日

「私に命をくれてありがとう」

ティーカップをゆっくりと傾けながら
穏やかに夜が更けていく

この夜が明ければまた
私は真っ白な雪の上に
真新しい足跡を刻んでゆくのだろう
つまずいたり 迷ったり
それでも自分の信じた道を
自分の足で進むのだ

けれど もしどうしても辛くなったら
あの時のように振り返ってもいいよね

そこには きっと変わらない優しい笑顔
私の大切な宝物

"おひさま""たんぽぽ"

(January.2013)  

二年前の誕生日に書いたものですが
今また同じ気持ちで穏やかな今日を迎えています。
ありがとう・・・









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