2015/08/06

オレンジの瞬間(とき)


夕暮れのバスターミナル
ガードレールに並んで腰かけて
スマホを見るフリ うつむいた二人 
ずっと言葉を探してた

離れている時は
あなたに伝えたい事
あんなにたくさんあったのに
臆病だね 本当の気持ち
何一つ言葉にできない

「ねぇ 今度は いつ会える?」
そんなこと聞いたら
きっとまた あなたを困らせるね

あなたの横顔越し
オレンジに染まる街が
哀しいくらいにキレイね
今 この瞬間(とき)が
二人の永遠になればいいのに

不意にあなたの口唇が
何か言おうとした瞬間
発車を知らせるベルが重なって
苦笑い 大きなあなたの手が
私の頭をそっと撫でた

 「それじゃぁね」って手を振って
あなたを乗せたバスの
テールランプが小さく滲んでく

泣かない約束を
こんなに早く破った私の手の中で
小さく震えたLINEの音
届いたあなたからのメッセージ

「もう 君に会いたいよ」













*゜*・。.。・*゜*・。.。・*゜*・。.。・*゜*・。.。

ひとつ前に書いた「オレンジの羽根」の
アンサーソング的な?感じで書いてみました。

少し前は詩の中に「スマホ」とか「LINE」なんて
ワードは出てこなかったよね。
響きとか字面とか、ちょっと慣れない感も否めませんが
実際、生活の中にごく普通に溶け込んでるツールだから
敢えて使わないのもかえって不自然な気もしています。

逆に「電話のダイヤル」とか「レコード」とか
時代と共に使わなくなる言葉も増えていくのかな~。

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